何年も前からずっと変わりたいと思っていた。
スマホなんて便利なものはなくガラケーが主流の2000年(当時25歳)に前の会社を正社員で入社した氷河期世代。
激務で夜勤有りの2交替の長時間労働(サービス残業あり)で毎年有給休暇15日以上切り捨てと、今考えたら違法な環境の仕事でしたが、同僚との人間関係は悪くなく、怒られるのに耐えれば毎月安定した給料貰えたので続けました(年収は40歳までは400万前後、その後給与の改善があって毎年少しずつ増えて辞める48歳のときは年収は550万くらいでした)。
僕はずっと平社員のままでしたが、係長や課長が連日朝8時から夜中の1時頃まで仕事しているのを見ていてとてもじゃないけど明るい未来なんて見えなかった。
実家と会社の往復。休みはパチンコに行くか飲みに行ってストレス発散するだけの日々。
貯金は100~500万行ったり来たり。500万越えると車買ってまた100万台に戻る感じ
ふと立ち止まって考えると、このままではいけないと焦りが出てくる。
何か変えなくてはいけないと思いつつも意思だけではどうにもならず同じ日々の繰り返し。
途中何かを変えたくて、30歳の誕生日に大型自動二輪免許の講習申し込んだり、キャンプ始めたり、カメラ始めたり、2015年には証券口座開設して個別株のトレードを始める。
個別株のトレードは全く勝てるイメージができずに、資産がじわじわ減っていく日々。勝てる方法が知りたくて投資の本を読み始める。主に銘柄選びの方法、チャートの見方、ファンダメンタルズの本でどれも勝ちに繋がりそうな方法論の本ばかり。本を読んでわかった気になりトレードしてみるも勝てるはずもなく日々が過ぎていく。
そうこうする内に、結婚して、中古ですが家を買い、2020年(45歳)には娘が生まれました。
この環境の変化が家族を守っていきたい、娘にとって誇りに思ってもらえる親でありたいという考えに至り、自分を変える一歩を踏み出す大きなきっかけになったと思います。
まずは今の貧乏な状況を抜け出さないといけないと考え自分流で節約を始める。
・コンビニに一切行かない
・自販機を一切利用しない
・会社には水筒を持参していく
・外食は一切行かない
2021年2月頃、節約が少しずつ効果出て貯金がいい感じで増え始める。少し自信が出てきたので個別株で人生大逆転大きな勝負に出る。
最初は含み益も200万越えていい感じだったんです。本気で億り人なれるかもしれないと思ったりして調子に乗って追加投資
はい負けました。一ヶ月足らずでマイナス200万の含み損を抱え、すべてを処分したときには預金口座は100万台でした。眼の前真っ暗になり絶望すら感じました。
落差が大きく一瞬でも夢を見たためになおさら落ち込みました。どうやって投資で勝つことができるんだろう?
後15年今の仕事頑張るしかないなぁ。仕事辞めたいなぁ。人生終わってんなぁ。
仕事中ずっとこんなフレーズが頭の中に浮かんでました。もう泣きたい気分で精神もかなり病んでる状態だったと思います。
相場からは退場して3ヶ月後、「バビロンの大富豪~ジョージ・S・クレイソン他1名著」という本を読みました。この本を読み始める前になんだかモヤモヤした気持ち悪い感覚があったのを覚えています。
不思議な話ですが、投資では勝ちたいという気持ちは強いのに、ずっと本気でお金持ちにはなりたいとは思っていませんでした。
貧乏なのに人生お金がすべてではないという考えがあり、人前ではお金の話はタブー、汚い、品がないと本気で考えていました。(これは親の影響もあります)
人生が大きく変わるとき、今までと変わらない自分に戻ろうと、思考なり、出来事なり、周囲の人なり大きな抵抗が必ずあります。ここで立ち止まったり、圧力に負けることがあれば変われない自分に戻るだけです。
バビロンの大富豪を読み終わってすぐに今現在の最適解だと思う資産運用に結びついたわけではありませんが、お金との向き合い方として確実に響くものがありました。
その後YouTubeで節約や資産形成の動画を見るようになり、米国のETF(上場型投資信託)がいいと知りSPYD(米国高配当ETF)、HDV(米国高配当ETF)、VYM(米国高配当ETF)、VOO(S&P500ETF)、VT(全世界ETF)あたりを買いました。これらの銘柄は今でも売らずに保有しています。
評価額もいい感じで増えていき、11月に入り「FIRE 最強の早期リタイア術~クリスティー・シェン他2名著」という本に出会いました。この本を読んだときはすぐには信じられなかったけど、こんな生き方ありかもしれない(年間生活費の25倍のS&P500の投資信託の資産を作って仕事を早期退職すること)って物凄く衝撃あったのを覚えています。
節約が習慣になってインデックス投資を始めた2021年末の資産は339万でした。
2022年は更に深く節約を進めて
・普通車を200万で売り、軽自動車に150万で乗り換える。差額50万プラスで、年間維持費も15万下がる。
・バイクを160万で売る。
・住宅ローンを金利の安い銀行へ借り換え月の支払いを6000円下げる
・自動車保険と火災保険以外すべて解約
・貯蓄型保険100万くらい損切りして400万手にする。それを一括でインデックス投資に入れる
・たまにお菓子を買っていたが一切買わなくなる
・通信費を下げる。ソフトバンクエアー(家のWi-Fi)とワイモバイルで月7000円だったのを楽天モバイルSIMをホームルーターに挿して家のWi-Fiとして使用とHISモバイルで月4500円
これらの節約で月の生活費を18万以上から15万以下に下げることが出来ました。(15万の中には食費や日用品は含まれていません。嫁に支払いお願いしています。)
2022年は車とバイクと保険の売却でかなりの金額を投資信託とETFに入れました。ですがロシアとウクライナの戦争があり、さらにインフレにより利上げがあったため米国の株価は大きく下落、円安で少しは評価損は和らぎましたが、いくら入金しても評価益はプラスにならない辛い相場でした。
2022年は会社の上司にとんでもないパワハラ上司が配属されてどれだけ怒鳴られて罵声を浴びたか覚えていません。例えば
・「いつ暴力事件を起こしても構わないと思っているから」と脅される
・同僚が飲みの席で「次のボーナス査定下げたから」と言われる
・毎日どこかで怒鳴り声の聞こえる毎日でした
もう精神的に参ってました。仕事のつまらないミスも多くなっていたと思います。
明日体が動かなくなるかもしれないリスク、パワハラで心が潰されるリスク、サラリーマンが決して安定しているわけではないと感じて、なりふり構わず資産作ってリスクだらけのサラリーマン早く辞めようと決意した年であります。
2022年末の資産は1170万でした。
人生で初めて資産1000万越える事ができました。このとき老後の不安がなくなり、資産3000万とゆるい仕事でやっていけそうな目安が出来てかなり気が楽になったのを覚えています。
2023年はS&P500は20%以上上昇しました。しかし3月と4月の銀行破綻があり、10月末までの夏枯れ相場もありずっと不安が付きまとうそんな相場でした。
2023年の3月に2024年8月末に今の会社が事業撤退するという知らせがあり、リストラされてクビになることが決まりました。長く努めてようやくまともな給料貰えるようになったと感じていたところだったので悔しい気持ちもありましたが、あと少し頑張れば今のブラックな環境から逃げられるのでホッとした気持ちのほうが大きかったです。
この時期に会社から就職紹介企業を2社くらい支援してもらい面談を進めていきました。
年収にはこだわらず、できるだけホワイトで休みが多そうな仕事という条件で探してもらい年収300万で条件に合いそうな仕事見つけてもらいました。
このときに紹介企業の担当者に言われた言葉は今でも覚えています。
「年収大幅に下がりますが、住宅ローンもあるのに大丈夫ですか?」
こんなこと言われたら若干不安にもなりますが、このときは「大丈夫ですここがいいです」と答えました。(実際今はここで働いていますが全然余裕でした。詳しくは後のブログで書きたいと思っています)
2023年はまとまった資金作るためにヤフオクで家の不用品200点売却して60万くらい作りました。残りは給与からで300万以上はインデックスファンドに入金したと思います。
2023年末の資産は1885万でした。
2024年はゴルディロックス相場と言われるくらい好調な相場で、S&P500は順調にスルスルと上昇しました。順調に資産も伸びてくれて、気持ちよく有給消化に入りバイクで北海道ツーリングの計画を立てていた直後でした。
日銀の利上げ、米国の景気後退懸念で株価の大暴落が起きました。
8月5日にはVIX恐怖指数が65.73まで跳ね上がりました。わずか1ヶ月も立たない内に最高値から300万以上も評価額が下がりました。
これから無職になり、2021年には個別株で200万の損失で退場した過去があるのに耐えられるのでしょうか?以前の僕であれば狼狽売りしていたかもしれません。
でもこのときはほぼ平常心で、むしろ下落を喜んで新NISA満額まで買い進めることが出来ました。
最初は数千円の値動きでも気になっていたのに、どうして数百万の値動きでも平常心保つことができるようになったのでしょうか?僕だけが特別なのでしょうか?
そんなことはありません。私たちは環境への適応力は良くも悪くも非常に高いと思っています。
最初は理不尽にすら感じる株価の値動きにも必ず慣れます。でも1ヶ月や3ヶ月程度の短期間で慣れることはないと思います。だからこそ1日でも早く投資して株価の値動きに慣れてほしいと思います。
2024年末の資産は退職金も入り、3324万円でした。
そして2025年7月末時点で資産は3570万程度になっています。
少し前までは5000万に月5万のアルバイトがゴールだと考えていましたが、今現在は5000万で心から好きな仕事をしていきたいと考えています。
他人に支配された生き方から自分で選んでいく生き方に変わりつつある今とてもワクワクしています。
僕の場合は
環境の変化、大きな挫折、気付き
これらの3つが重なって初めて人生を変える大きな火柱が上がったと考えています。意志力に頼るだけでは20年間何も変えることができませんでした。娘の誕生、大きな挫折、ある本との出会いこれがなければうだつの上がらないサラリーマン続けて老後に不安を感じて75歳までは働く未来を見ていたかもしれません。
意志力だけで人生を変えることはとても難しいです。
・人との出会い
・友人の何気ない言葉(例えば声を褒められたなど)
・旅で感動した出来事
・映画で感動した
・素晴らしい本との出会い
・失恋
・別れ
・大きな挫折
・病気、事故
きっかけは人それぞれだとも思います。運もあるでしょう。ある程度負荷を軽くするために環境も整える工夫が必要かもしれません。
でも前を見て少しずつでも行動していけば、人生で稲妻の輝く瞬間に立ち会える(敗者のゲーム風に笑)ことができると信じています。
これが自分なりに出した答えです。
この記事を読んだあなたが何かヒントを見つけ、人生を変えるキッカケができたら本当に嬉しいです。
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